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町田康 / 犬とチャーハンのすきま [町田さん]

Saturday , 8th May 2010 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

ひとは同じところにとどまらぬのだ。
強く強く、そう思う。
非常にいい意味で。

01. 頭が腐る
02. 俺はいい人
03. 饂飩出汁
04. 頭のなかの青い海
05. うどんのなかの世界
06. なんで?
07. 道端のおっさん
08. ひとり盆踊り
09. あなたの終局
10. 爛漫
11. あなたにあえてよかった
12. I am full.

AxSxE : Gt / 石橋英子 : Key / 恒岡章 : Dr / 赤坂ミチル : Ba

聴かずに死ぬのか、あんた。いい覚悟してるな。

犬とチャーハンのすきま

犬とチャーハンのすきま

  • アーティスト: 町田康
  • メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2010/04/28
  • メディア: CD
2010-07-11 21:15 更新
日本近代文学館主宰、夏の文学教室
『くっすん大黒』の頃
2007年7月28日(土)

以下、かなり曖昧な覚え書きより。


「デビュー作の頃」ということで
「くっすん大黒」を書いた頃の話をします。
10年前、35歳のとき、
どんなことを考えていたか、どんな生活をしていたか
小説をどう書き始めたかです。
何をしていたかというと専ら音楽活動をしていました。
どんな音楽かというと「パンク」という音楽です。
それなしに小説はなかった
パンク歌手があって、小説家としてのデビューがありました。

(今の)パンクは地層が重なり元々が解り難くなるほど変化し
中高生の頃、最新のムーヴメントとして知った初期とは
異なってきています。

それまで新しい情報はラジオからというのが多かったのですが
テレビで「SEX PISTOLS」を見ました。
服装滅茶苦茶、演奏滅茶苦茶、態度や物腰も滅茶苦茶でした。
(当時は)長髪が反抗的な若者の在り方でしたが
寝起きのような、「ガタロ」のような短髪で
服は珍妙で、カッコ良いと思っているのかふざけているのかわからない。
音楽も奇妙奇天烈でした。

それまでのロッカーは深刻な顔をして歌詞には寓意を含み
複雑で現実的であるほど偉いとされていました。
パンクはあっけらかんとしていて
「人生の苦しみは阿呆過ぎてわからへん」みたいな感じでした。

その阿呆の演奏を前に技術的な人々が阿呆に見えた。
演ってる側には阿呆から阿呆にされるってのがありましたが
見てる側には面白かった。
どんどん多くのバンドがデビューしました。

技術的に巧いことが尊敬されず
「何や、あいつウマイやんけ、阿呆ちゃう」となり
素人は玄人を技術に縛られて自由な発想ができないと思い込みました。

そうしたパンクが紹介された時
批評家は冷淡で一過性のキワモノと切り捨てました。
公平に言ってそれは誤りでした。
実験性があり、発展させ
技術のあるひとたちも実験性を取り入れました。

当事者は「捨て石」「人柱」で
死んだり、狂ったり、犯罪者になったりしました。
そんなことを知らぬので自分もバンドをつくってしまった。
今、考えればそれが失敗の始まりです。

パンクに出遭うまでは聴くことしか考えていませんでしたが
阿呆でも素人でも人前で演奏していいんだと思い
バンドを組んでしまいました。

後略。
2010-07-12 16:35 追記

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