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ずぶ濡れて行き倒れる [日々の暮らしで思うこと]

Thursday, 1st July 2021

土曜日、愛車ニーチェの六か月点検に出かけた。昨年末納車された、持っているお金を使い果たしてしまえ野となれ山となれどうせ近々死ぬわと投げやりな気持ちで軽はずみに買ったクルマである。それまで乗っていたクルマの車検見積もりのついでに見せてもらい、乗り込んでみたり装備や機能を聞くうち売値を示された。滅多にない破格の値段だそうで、即決を渋る私に、逆に買わない理由は何かしら?と担当者上役が訊いてきて、担当者とPさんもどうして?と私の顔を覗き込み、何故Pさんが買わせる側なのかはさておき、三つのぽかんと間の抜けて見える顔へ、じっくり考えて決めたいと説明するのが面倒になった。車検の見積もりに来たのですと元へ戻すのが億劫だった。百円の消しゴムを買うにも熟慮の要る私の生き方を知ってほしいと思わなかった。それであっさり口車に乗る形で手に入れたクルマだけれど体調が今ひとつで大して乗らぬものの車庫入れに馴れてくるなどして愛車感は芽生え、その愛は日に日に増しつつある。

これが同居人であれば打ち合わせ無しでどちらかは乗り気だけれどどちらかは迷っているという役割が即興出来て、もう少しよい条件を引き出したり、一旦帰って相談する流れに持っていくのだった。そうして最善と思えるときに最善と思えるものを選ぶのだけど、そんなことはもう私の暮らしには容易く起こり得ない。仕方ない。にしても前のクルマに乗り続けるのは難しかったし、今の暮らしにクルマは欠かせず、買うのは時間の問題と言え、私の納得を待って構わなかったと思う。短時間で商談を成立させ、担当者らはしてやったりと思ったか知らぬが、クルマに落ち度がないのに売り方で気分を悪くさせてはプロとして駄目だと思う。揃いも揃って間抜け面に見えては駄目だと思う。

間抜け面と言えば、昨朝、Pさんの前歯がどうにかなった。結構深刻な事象で歯科へ行くことになり、予約の電話をするよう頼まれた。そう、私は未だにPさんの台所に寝泊まりしているのだった。自宅へ戻りたいけれど戻るときにはPさんと一緒に暮らす決まりで、それには片付けが要るのだけど、これが捗らない。年内にはどうにかしようと思ってはいて、168袋のゴミと30個くらいの使えぬものを処分した。これは処分と決めるのが難しく、いちいち胸が張り裂ける。オープンリールのテープレコーダーとかツマミがいっぱいあるイコライザーとかデカくて重いスピーカーとか持っていたかったけれど、同居人でないと真価を活かせないので諦めた。Pさんからは早く転居をと急かされるけど、こういう片付けはさっさと済ませられない。いちいち胸が張り裂けているのだから。私の得たり失ったりしたすべてとそれらについての思いを知らないことにはわからない話で、理解が得られるとは思わぬけれど。

カウンセリングのとき、ロシア民謡の一週間の歌のような暮らしですと言うと先生がどういうことかしらという顔をして、木曜日に沸かした風呂へ金曜日に入るような歌ですと付け加えたら、ああと歌を思い出した顔になって、お湯が冷めますねとの返答があった。ささやかであっても何か出来たことを評価しましょうとも言ってくれた。甘やかされた気がするものの、望むような能力を持っていない感じはあって、何もかもが手に余り苦しい。小さな一歩を一歩と数えようと思う。携帯電話のヘルスケアという見張り機能によれば私の一歩は概ね60cmである。

昨日はPさんの猫に朝ごはんと水をあげ、Pさん宅のゴミを捨て、Pさん宅のガス料金を払いに郵便局へ行き、歯科へ電話をしてPさんと私の予約を取り、その日が茶犬の通院と重なったので獣医に予約変更の電話をして、夕飯に餃子を拵えた。割といろいろ出来た一日だった。餃子の皮はモランボンの大判で案外美味しい。Pさんは世界一美味しい餃子を作ると自惚れながら餃子用カット野菜を使った棒餃子などを出してきて、私には美味しさが全くわからず困っていた。あるとき、モランボンの皮を選び、野菜は私が切り刻むと言って以降、餃子作りは私に任されており、Pさんは世界一云々を言わなくなった。Pさんが単に手間を省いただけだとしてもカット野菜の棒餃子から解放され私は嬉しい。

クルマが欠かせぬ暮らしと言っても、ようやく760km走ったような具合で、給油したのは六か月で二回である。初回は確か二月で、1リットル125円くらいだったのだけど、二回めの先週は145円に値上がりしていて、ハイオクかよと思った。鳥の糞が付いていて洗車機に入れるか迷ったけれどやめた。カローラに行くしと思って。六か月点検に行って何か気になるところはと訊かれて洗車してもらえれば大丈夫ですと答えた。またどこかがキレイになる何とか剤とか薦めてくるのかしらと案じていると今回は担当者上役がおらず何とか剤の押し売りはなかった。ただ、地域でナンバープレートの盗難があり、一般工具では外せないナットに替えてはどうかという提案があって、交換してもらうことにして3300円払った。自分で決めたことで不満は無いけれど、盗もうとしたナンバープレートが思うように外れなかったとき、車体を乱暴に蹴ったりしないかしらと後になって思った。クルマ一台の管理にしても安心安全なんてことはなく、出来るだけそうあるよう心がけるしかない。生き物であれば生きていることが奇跡、偶々、幸か不幸か死んでいないだけだとも思う。だからどうということもないけれど。

クルマは点検料金がかからないようなサービスが付いていて、それを売りにしていたりするのだけれど、行くと無料項目だけで済ませる感じがなくて、本当に頭の悪いやり方だと思う。何も押し売りされなければ、純正品なんか野暮ったいものばかりだけれど、ドライブレコーダーとかスピーカーとか徐々に備えてもよいという考えが心のどこかにあったのに。ひとに聞かれたら私のカローラへ行きなさいよと言ってもよかったのに。

いつか、夜中に同居人と歩いていて、自販機で飲み物を買おうとしたら、硬貨を入れても品物が出ず硬貨は戻らないということがあった。自販機の真ん中辺りをぼこぼこと二回蹴ったところで、同居人がそんなことをしては駄目だよと言った。出てこないかなあとまだ蹴りたそうに聞くと、蹴っても出てこないと断言するのでそういうものかと納得した。同居人が言うならそうなのだろうと思えることが割と多くあった。とは言え自販機から戻らない硬貨が惜しくて貼られた連絡先に電話をかけた。夜中のことだから留守番電話であった。思いつくまま適当に苦情を言って切ったのだけど後日折り返しがあり、返金代わりにクオカードを送らせてくださいと言われ、嫌です、ケチリストへ載せるつもりでしょうと答えるとそんなことはしないそうで、何故なら大抵のひとは連絡せずにただ買わなくなってしまうけれど連絡があれば故障を直せて返金も出来て有り難いのですと言うので住所と名前を教え、300円のクオカードを受け取った。ケチリストへ載せられなかったかはわからない。ケチリストが存在するのかどうかも知らない。

何をしたら楽な気持ち穏やかな気持ちになれるかリストアップするのがカウンセリングの宿題で、百個くらい書きたいのになかなか思いつかずにいたけれど、餃子作りは悪くなかった。寝るときに使う氷枕も気持ちよい。このふたつはリストへ載せよう。
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