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幻想を完璧な現実にすり替える [日々の暮らしで思うこと]

Monday, 20th September 2021

八月最後の木曜日に隣町の農産物直売所で買ったバラの花は私の経験における最短記録で儚く萎れた。昼に冷水と延命剤を使って花瓶へ入れながら夕方にはくったり萎れて虚しかった。酷い暑さに直帰せねばと思いつつハーゲンダッツクリスピーアーモンドバターサンドを探してローソンを四軒はしごしたのがよくなかったかもしれない。四軒回ってどこにもアーモンドバターサンドは売られていなかった。九月も後半となって何をという話だけれど。

その前の木曜日にも隣町の農産物直売所へ切り花を買いに出かけている。道の両脇の木々が伸ばす枝々のふさふさの葉に覆われた緑色のトンネルのような坂を通るのだけど、帰途、緑色の葉と緑色の帽子を被る緑色のどんぐりの付いた小枝がフロントガラスに落ちてきた。葉もどんぐりも小枝も朽ちた感じがまるでなく落ちるには全く早い気がして、それにしても私は若死にさせるのが得意だよねと一瞬のうちに思う。雨男だとか晴れ女だとか自称するひとを自分の能力を高く見積もり過ぎでは、自然のなす業ですよねと白い目で見てきたのに。風か何かの仕業でしょうと客観的な考えも頭のどこかに微かにあるものの。

土曜日は通院の日で、Pさんの運転するPさんのクルマで連れて行ってもらう話になっていたけれど七時半になってもPさんは起きて来ず、ひとりで行ってみますと書き置き、私の運転する私のクルマでひとりで出かけて自由だった。カウンセリングでどんぐりの話をして、何かが起こり自分が悪いと思ったときにはそれが正当な評価か考えてみましょうとの導きを得た。カウンセリングは今年の三月で終えることになっていたけれど情状酌量で何回めかの一年延長をされており、次の三月こそ正真正銘おしまいなので、よくない癖は改めたい。改めるのが難しいなら考え方に癖のあることを自覚しておきたい。全か無か極端なところと自分はこうあるべきという頑なさは変えていきたい。

カウンセリングの先生は先生と呼んでも医師でなく、主治医は別にいる。四月に変わった主治医は先月今月と都合が合わず、代理の医者と面談、薬を出してもらった。三か月も主治医に会わないなんてことはこれまでなかったけれど、前の前の主治医のように心の拠り所という訳でもなく、気持ちの沈み具合やパニック発作に困ってはいても主治医に診てもらえないからと不安にはならない。これが医者と患者の適切な距離感なのかもしれない。

医者の待合室でPさんから、お金は払うので何かしら昼食を買って帰ってはくれまいかという連絡を受け、花を買いに農産物直売所へ寄りますと返答した。農産物直売所には時にキッチンカーが来て、そこで売られる何とかライスをPさんが好んで食べるのを私は知っていた。薬局で薬をもらってから農産物直売所へ寄ると件のキッチンカーが来ており、何とかライスを大盛りでとか普通盛りをひとつとか頼んで3450円請求され、これを払った。作ってもらう間に野菜と花を買い、キッチンカーへ戻り昼食を受け取った。花は仏壇に供えそうなものばかりで、バラやガーベラがひとつもなかった。染色されたらしい気の触れた色合いの菊なんて誰が買うのかしらと心のうちで貶して、真ん中が赤く縁取りが白いスプレーカーネーションとカスミソウが束ねられたものを選ぶ。

帰途、それにしてもと思うのは現金のことで、医者へ行くのに持参したのは4500円だった。受診料と薬代なら足りる筈で、花はauPay払いするつもりであった。キッチンカーと病院の駐車場は現金しか使えず受診料と薬代をクレジットカードや何かで清算して駐車場へ三百円払い残金4200円で出向いたキッチンカーへ注文して3450円、ギリギリ足りましたよねと思う。そう思ってやっと昼食代にしては高過ぎではと思い至り、助手席へ置いた昼食の箱数を数え冷静に勘定して、多くても2800円にしかならないと気付いて信号待ちのクルマの中で頭を抱えた。

行く道も戻る道も混んでおり、キッチンカーはレシートを出さぬ店で、温かいうちに食べるから美味しいと思うメニューでもあって、払い過ぎたと思うので確かめてと言いに戻る気持ちにならなかった。小梅太夫のようにちっくしょーと言ったところで気の晴れる気がせず無言でモヤモヤしつつ、空いてきた国道をスイスイ走って帰った。事情を話すとPさんはどんぶり勘定なので構わぬ、自分なら一切気付かなかったであろうと言って彼女の財布にある細かいお金全てである3370円をくれた。少し遠慮したものの、ありがとうございますと頭を下げ、差し出されたお金を私の財布へしまった。これは頑なさを抑えたのではなく、一か月を十万円で暮らしたいからで、どこからか月に十万円が届くのだけど十万円より使ってしまうと貯金を下ろさなくてはならず、貯金が減るのは嫌だなあという都合のよい話なのだった。とは言っても私ひとりなら米飯に塩を振って海苔を巻くというようなもので事足りており、お金を受け取る理由がないとまでは言えぬのである。

Pさんが起きて来なかったのは午前三時過ぎまで起きていたからで、そんな時間まで何をしていたかと言えば、携帯電話の機種変更をしていたのだった。これまでのPさんの携帯電話は通話もテキストも翌日或いは翌翌日に気付くという具合で電話として意味が無かった。通常の電話と変わらず瞬時に届いてはいるものの着信を知らせる機能が芳しくないらしかった。であれば、ちょくちょく確かめれば良さそうなものだけど、そういう工夫はPさんに装備されていない。金曜日の昼にPさんから帰りに買い物をするけれど何か要るかと問われ、亀田製菓の技のこだ割りが欲しいとテキストを返してPさんは手ぶらで帰宅、先の待合室への連絡で金曜日のこだ割りに気付かなかったと言ってきており文明的でない。機種変更で改善されればと思う。

日曜日、冷蔵庫には食べ物が沢山あるけれどPさんが足りないものがあると言うので安売りスーパーマーケットへ出かけた。堅あげポテトチップスとハーゲンダッツクリスピーアーモンドバターサンドと羊羮を買って1500円くらいを現金で払った。100円ショップに柿の種サンダーがあったので一箱とジャンドゥーヤサンダーとナッツのサンダーをバラでいくつか買い、クレジットカードで756円を払う。不要不急で買い物へ出るとこういうこと(必需品以外のバカ買い)になる。

10%オフクーポンがあったのでロフトで手帳を買いもした。1500円をポイントで払い、残りの4143円をクレジットカードで払った。手帳は持ち歩くものと家で使うものの二冊で、家で使うものは一昨年辺りのカバーを転用するつもりで本体のみ購入、持ち歩き用は大抵濃い青を選んできたけれど、明るい青にしてみた。染色で気の触れた菊の色に似ている。二冊とも来年の手帳で、私はどうやら2022年も生き残る気でいるらしい。冷静に勘定して多分あと二百年くらいは生きるんじゃないかな。禁固刑だか懲役だかお気楽な余生だか知らないけれど。

鰻丼を断った私にPさんが買ってくれた牡蠣ごはんを昼食に、甘いものはと問われ小枝のシュークリームと答えた私にPさんが買ってくれた栗の入ったプリンタルトをおやつに、それぞれ食べた。美味しかった。会話のすれ違っている感じは置いておいて。

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