青猫―萩原朔太郎詩集 [本]
「洋楽」と呼ばれるようなものを聴いていると
主に英語で書かれた曲の意味を理解しているのかと疑問を抱かれる。
そうした場合「日本語の歌詞と同程度に」という返答になる。
さも語学に堪能であるという思い上がりが感じられるかもしれぬが
英語は日本語と同様に苦手である。
「寝ずに考えたものを
自分が賢いと認め得るそれなりの人もそこいらの馬鹿も
同じように見聞きするのが惜しい」というようなことを述べた表現者に
多少なりとも才能を感じていた私は失望した。
世の中に何かを知らせるとはそういうことであって
どういう意味が含まれていようと解釈は受け手に任せるしかない。
そういう訳で誤った解釈にしか過ぎぬとしても
私なりに何かを感じたり、考えたり、得たりする。
作者の意図とは異なるところであっても。
思案を重ねたり、ほんの思いつきであったりと様々であるが
作者の考えに近いのではと感じればそれはそれで大変に気分が良い。