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焼きオオヤマネの蜂蜜漬け [日々の暮らしで思うこと]

Wednesday, 13th January 2021

今月もガス料金が277円で、計測に来てもらって申し訳ない。留守がちであるのにタイミングよくと言うか悪くと言うか、玄関を出ると計測のひとがいて、請求金額277円とプリントした紙を手渡され、抗議行動だったりせぬかと慌てた。壊れた給湯器の交換を申し込んでおらず、帰宅も日に十分程度で、ガスを使う用途も暇もない。体調が戻り、自宅へ戻り、人間の生活を手に入れたなら、ガス給湯器を交換して毎日入浴して、それなりのガス料金を払いたい。書き初めの習慣があれば、その旨、毛筆でしたためたいほどの決意である。

犬の医療保険の更新が近く、次からの保険料の知らせが届いた。一か月5560円+5690円がそれぞれ千円近く上乗せの見込みで厳しいが、持病があり、九歳を過ぎていて、必要な出費ではと思う。十月から手続きしていない家畜病院での自費支払いを今月中に清算しようと思う。

年々、正月が短くなってきたように思う。私の今年の正月は二日くらいで終わった。せっかく無職なのだから一か月くらいは正月気分でいたい。ぬるま湯へ浸かりきりたい。数年前のコンビニエンスストアのアルバイトでは正月二日から働いて暇だった。煙草ケースを掃除して、埃にまみれて、蝉の亡骸と謎の豆が出てきて退屈した。そして、百円玉を入れたポチ袋を店長が配り不評だった。金額はともかく、宛名書きが呼び捨てで。何事もいちいち気遣いがなかった。

コンビニエンスストアでは、混む時間ながらふたりで店を任されて、一緒に組むひとと気が合わず、することが多いうえに味方がなくて大変だった。前の時間帯のひとを親切なように思って頼りにしたこともあったけれど、知れば知るほど曲者で、私は円満な人間関係を築くことができなかったのだと思い出して、日々、右手にカメレオンのマペットを嵌めて行き、マペットとのみ私語するなどして凌いだ。人形とだけ会話して凌いだうちに入るかわからないけれど。

曲者は田崎と言うひとで村上春樹を好きだと知り、村上春樹を読もうとしたけど馴染めないと言うと読み方を教えてくれると言ってメールアドレスを寄越して、ではと私のアドレスを教えた。中年と言うか言わないかくらいの独身男性で、メールアドレスの交換は初めて会った日のことで、一緒に組むひとには軽薄に見えて印象を悪くしたかもしれない。一緒に組むひとは曜日によって変わるけれど、女性ふたりのいずれかで、ふたりは同じ弁当屋で働いてもいて、どちらともうまくいかなかった。ダブルワークや弁当屋を馬鹿にしていると勝手に思い込んでしまい、私は私で誤解を解く努力をしなかった。毎度ふたりで陰で私を批判したことを伝えてきて一貫性がなく、私が何をしても気に入らないのだとわかりやすかった(モップ拭きに時間がかかる/雑、ブラインドを開けるのが早い/遅い、コーヒー豆を混ぜた/混ぜない等々)。

田崎は先ずは海辺のカフカを読むように言った。深い深い意味、宇宙の成り立ち、生命の起源、あらゆるものの真実と解釈があると言われたのに、読み終えて何も掴めなかった。筋を追うだけだったと言うと、読み終えたことがすごい、ハルキニストになれると言われて喜べなかった。ハルキニストになりたい訳でなく、考察のヒントくらいもらえると期待していたので、深い深い意味があるのでは?読み方を教えるとは?と思い、ひとりで読むのと変わりなくがっかりした。「ポルノのような描写を読み飛ばせ」だけが教えられた読み方だ。続けてノルウェイの森を読み始めてピンと来ず、半分まで進んでもさっぱりで、読み進めながら村上春樹は合わないと諦めた。田崎はそれを知ると、読むに適した順序があるのにそれを破ったと、勝手に読んで挫折してハルキニストの道を真っ直ぐ進まないことを責めた。私が高熱を出して、急遽シフトを変わってもらったのがバレンタインデイに近く、猫の舌を模したチョコレートをお礼に渡して、海辺のカフカを読んだ後でもあって、私は「殺された猫の舌かもしれない」と言ったのだけど、それを持ち出して私を嘘吐きと言い、手に負えない。悪趣味だ笑えないと言われれば歩み寄る余地はあるけれど、チョコレートであるのは端から互いに承知で嘘に決まっており、随分過ぎてから立腹して発掘する話ではなかった。その後も不倫はよくないと私が田崎に好意があるかのように戒められたり、殺人事件へ触れたメールに「交換日記」「死体」の文言を用いたことから、私が田崎と「交換日記」を「したい」と言ったように受け取られるなど様々あり、こちらはできれば解きたい誤解だったけれど、没分暁と言うのか、関わるだけ誤解が増す感があり、マペットとふたりして困り果てた。わからずに読む本はいくらもあるけれど、村上春樹はわからないので読まぬと決めた。私にひとを見る目がなかっただけの話なのだけど、もやもやと嫌な印象が残り、ノーベル文学賞近辺の読者の集いなどが報じられると面白くない気持ちとなる後遺症がある。

コンビニエンスストアでは労基法が全く関係なかった。レジの集計に違いが出ると弁償する決まりで、代わりを見つけなくては何があっても休めず、勤務前後無給で働く時間があり、規定月働いて有給休暇は出ない。働くことはよいこと、仕事を選ぶなと聞くけれど、どう改善されていても、もう、コンビニエンスストアで働きたいとは思わない。無法地帯で働くのなら賞金首を追いかけたい。
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