テースト・オブ・苦虫 5 / 町田 康 [町田さん]
前月2日からそう時を経ず、拝顔の機会を得る。
普段は鈍い感覚も鋭敏になり一瞬一瞬を鮮明に心へ刻む。
ご署名いただいてから五分ほど辺りをうろつく不審者と化すものの
余韻を胸に東京ダイナマイトライヴへと書店を後にする。
ライヴは松田さんと二郎ちゃんに疲れを感じたが得心のいくものであり
滅多に無い幸運の日であった。
おそれずにたちむかえ、ダイナマイト現象。
静と騒というか荘厳と雑言というか
目を皿というか耳を盗聴器というか。
自爆ボタンがあるなら押すことにためらいのない夜。
実際に押したのはエレベータのボタンのみ。