性能のいい耳栓に千の叫びも耳に届かず。：元祖ぶりぶらぶろ：SSブログ

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こうした心労の果てに今の私がいるのと嘘を..｜それでも買うひとはいる。サクラかカモか知.. ブログトップ

性能のいい耳栓に千の叫びも耳に届かず。　[愚] [編集]

Saturday , 24 May 2008

超偏食で激しい腹痛の夜を一時間半睡眠で過ごした朝、私は映画に行った。
ナルニア国物語２である。繰り返すがこの選択は私の意思とは無関係である。
私のようなものであっても時に知己との友好関係を維持するためこうした無理もこなす。

映画館にいくと大きなモニタに「最高の人生の見つけ方」の予告編が流れていて
その前にはモーガン・フリーマンやジャック・ニコルソンよりずっと危機的状況を醸す方々が群れ
やたら真剣な目を画面に向けておりあまりの入り込み具合に息をしてなさそうだったりして
どうせなら映画を見てからにしなよって何をしなよだかって話だがそう思った。
「シネコン」は「死ね今」ではない。て誰もそんなことは言ってなかったけども。

字幕版なら幼児は皆無と勝手に想像したが五歳くらいのひともいるのだった。
字幕は無理だろうと心の中で愚弄を試みるが英語が母国語では字幕不要なのである。
にしても五歳のひとと同じ映画を見るのであれば子供料金にならぬだろうか。
と思ったが精神が未成熟だからと子供料金を認めていては
犯罪者の多くが少年法の適用を申し出るかもしれずそれはやはり違うと思うので諦めた。
何ごとも遠回りせねば結論を得ない頭のはたらき具合である。

上映時間から３０分近くも映画が始まらぬのは様々な予告編などが流されるからである。
１４日はＴＯＨＯシネマデイなどと言われたときには既に我慢も限界なのであり
２４日にＴＯＨＯシネバデイなどと語呂あわせを無視した罵倒が頭に浮かぶのであった。

ようやく映画が始まると何度も同じひとが席を立ってどこかに行っては戻ってくるのだった。
温厚な私は二、三発殴ることくらいしか考えなかったが同行者などは心の中で
「どれだけ小さい膀胱してんだよ」と行き先を限定してなじっているに違いないと想像した。

映画はやはり五歳のひとと一緒に見るだけに戦闘場面の多い絵本だ。
「え」が巧くて「ぶん」が駄目な感じの。

映画が終わると予約した店で食事である。帆立貝のバタ焼きを同行者と分ける。
ふたつをひとつずつという品のよい分け方でなく貝柱のみと貝ひものみだったりして分けにくい。
暫し焼かれた帆立貝と格闘を演じる。

戻ってからも同行者の家でごろごろしている。
仕舞いには帰るのが面倒になり「君の家に泊まろうかな」というと了承されたので泊まる。
いつもより早めに寝るが一時間半もすると酷い腹痛で目が覚める。
これは今までの経験で言えば急性胃腸炎である。
昨日より更になんてことがあるとは思わなかったが実際上には上、下には下があるのであって
私そのものが上から下からジェット噴射的であると非常事態宣言しなくてはならなくなった。
噴射の中休みに手洗いの外に出ると目眩がして倒れ込み起き上がれなくなってしまう。
寝室の知己に声をかけるが全く気付かない。天井が回る。激しい腹痛は続く。
宣言すべき相手はおらず、この事態は自分で切り抜けるしかないらしかった。
暗がりで落とし紙を探したり失神しかけたりしたが明けない夜はない。
手洗いに行くごとに徐々に痛みは緩和され天井の回転も止まり朝が来て知己は目覚める。
目覚めた知己はどうも反応が鈍い。何かと思えば耳栓しているのだよ。
いくら呼んでも助けなんか来る筈なかったのである。