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指の隙間、滑り落ちる砂。 [愚]

Tuesday , 28 apr 2009

「わあ」と大きな声がしたのは道を隔てた向こう側の歩道で、車道から鋭角に乗り上げたクルマが歩くひと擦れ擦れのところをかすめて止まった。轢かれかけたそのひとはクルマの窓に近付くと「勘弁してよ」と運転手に言ったりして落ち着いてるんだか、暢気なんだか、妙に穏やかで、死ぬときなんて案外そんなものかもしれんと思いつつ直ぐ傍にいたなら、下手したら死んでたよなどと無粋なことを言いかねない。

2009-05-27 01:45 更新

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