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茶色の砂糖を並べる。 [愚]

Saturday , 1 august 2009 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

初めての店へ食事に行く。おおよその位置は掴んでいるものの、詳細は判然としない。
曇り空を見上げながら、何とか言うビルディングの3階にあるという店を探す。
熟女パブしかないのかここはという界隈
そのうちの一軒の熟女パブ、ピンク地に黄色ネオンの看板の上に目的の料理店名を見つけた。

ただ一つの階段には「非常階段です、何も置かないで下さい」と貼り紙があるが
そんなものを気にかけるひとはいないらしく
観葉植物、脚立、看板、竹竿と室内保管するほどでないあらゆるものが雑多に置かれている。
それらを避けながら2階の熟女パブを通過、3階まで進み、タイ料理店の小さな扉を開いた。

昼時ながら店には誰もいない。客も、店員も。
テーブル、椅子、王様か誰かの写真、意図不明の小物などがひっそりと待ち構えるばかりだ。
それらを眺めていても飽きぬのだけれど、他人の店でこっそりしているのは何か落ち着かず
少しも眺めぬうちに「こんにちはぁ!」と静けさを破る声を張り上げた。

小さな料理店

何なら第2弾をと雄叫び前の深呼吸をしかけると、奥から「スミマセン」と聞こえて
タイのひとに見える風貌の店員が、はにかむような笑顔で現れる。
「スミマセン」と言ってテーブルに案内して「スミマセン」と座るよう促し
「スミマセン」と言ってメニウを差し出す。
全ての「スミマセン」には、もれなく恥じらいの笑みが付いてくる。中年タイ風男性の。

いくつかの料理を注文をすると、伝票には「 แกงเขียวหวาน 」とか「 กะทิ 」と書かれていて
それを読み上げるからにはオーダーの確認だろうが、何を言われているのかさっぱり
「ラッキョウとセロリのレーズン和え」なんてことであってはかなわぬので
いちいち、タイ語と日本語併記のメニウをめくり「これのこと?」と訊き返すのだった。
多分、タイ料理。うま味。

一杯の茶、一皿の料理を運ぶたび
或いは然程たくさんの注文と言えぬ会計での17回ほど振り出しに戻るレジの打ち誤りに
はにかんだ笑顔で「スミマセン」と全てのやり取りを穏便に成立させる魔力は
「スミマセン」という言葉が持つのか、店員のものか。

きっと、茶。ひんやり味。

何かと手間と時間はかかったが料理はそこそこ美味く、店の雰囲気も悪くはなかった。
腹も足も満ちた。即ち、満腹かつ満足である。  2009-08-17 21:15 更新

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