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棘無し棘棘。 [愚]

Wednesday , 16 september 2009 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

バックルを握り、ベルトを振り回すひとがいた。
振られたベルトは空を切る音を立て、勢いを失わぬまま、打ちつけた先に巻きつく。
そんなものを浴びては拷問のように思う。現にベルトが巻きつくたび、うめき声が上がった。
だからと言ってその乱暴な振る舞いを誰も止めぬのは
ベルトを振り回すひとと、打ちつけられるひとが、同一人物のためである。
何のための行為か知らぬ。説明されて理解できる自信もない。

「気持ち悪くて大嫌い、出てくるな、タニハラショウスケ」と罵るひとがいて
視線の先のテレヴィジョンを見た私は、余計なことながら「これ、別人ですよ」と伝える。
「嘘」と振り向く顔は疑いに満ちており「東儀秀樹です」と続けなくてはならなかった。
嫌いという感情は強いものではないのか、だからそのひとも画面に向かい罵るのであろう。
そこに人違いなどあるのか。って実際あるのであって災難はどこに潜むか知れぬのである。

「東尋坊はどこですか」と訊かれる。
聞いたことはあるが、どこと具体的に説明できるほどのことは何も知らず「さあ」と答える。
「東尋坊を知らないんですか、あなたが知らない訳はないんです、よく考えて下さい」
考えてみても分からない。「ヒント、福井県」といつの間にかクイズに巻き込まれていた。

皆、知らぬひとばかり。
世界中で様々なひとが、様々なことを考え、様々なことをしているらしい。
私の部屋は実に静かであるよなあと天井を眺めると蛍光灯が「ジイ」と鳴り出した。
「静かで構わないんだけど」と言っても音は止まぬ。何なのだ。2009-09-20 07:30 更新
コメント(2) 
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コメント 2

ira

今晩は、ひねさん。

今日の記事はなんだか不穏だ。

高校の時の現代国語の先生が
「ここに居る生徒一人ひとりみんなが、それぞれいろんなことを考えているのだ、と思うと何もしゃべれなくなる」
と言っていたことを思い出します。
そう、だから時々私も凄く怖くなる時があるよ。

ベルトを振り回して自分に打ち付ける人とか。
突然「谷原章介嫌い!」とか叫ぶ人がこの世に居ると思うと。
by ira (2009-09-20 20:26) 

hinemosu-bomb

こんばんは、ira さん。

みんなが全く同じなのも、全然違うのも、考え出すと怖いね。
みんな違うと言いながら、どこか似ているのでしょうと期待していたりもして。

ベルトのひとと目が合ったときは少し怖かったです。
打たれるのも、打てと言われるのもイヤだなって後退りしました。
ムーンウォークの練習だけどって設定で。
セリフを用意したのに、何も訊かれることはなかったんですけど。

谷原のひとと東尋坊のひとは話をしたけど、やっぱ分からない。
で、分からないって、面白いのと怖いのがあるみたいですね。
ひねも分かりたいって思うときは断然面白いの。
ira さん、何考えてるの?とかね、そういうのはいい感じ。
分かりたいと思えないときは、怖い。
これは関係ないひとだって、あっさり思ってしまう、ひねが。
by hinemosu-bomb (2009-09-20 22:00) 

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