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お前の影が地に映ったら。 [愚]

Wednesday , 31st March 2010 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

夜半。ほろ酔い加減の同居人が
コンビニエンスストアから電話してくる。
「何かいる?」
欲しいものは何も無いがそう答えては芸の無い気がして
「何がある?」と訊ねた。

がさがさと何か探る音がして
「海の幸がどうとかって弁当がある」と言う。
海鮮的な何かかと蟹や何かを思い浮かべながら
「何が入ってる?」と訊けば
「ちくわの天ぷらと昆布の煮たのと海苔と」なんて感じで
海産物に違いなくとも海の幸とは大きく出過ぎなのでは
そう言おうとするところへ「ゆで卵」などと続く。

「今、何て?」「ゆで卵」
「それ、海の幸か?」「でも、入ってる」
「何の卵だ、鮭か?鱈か?」「多分、ニワトリ」
「店員に聞いてみな」「うん」
少し待つと「やっぱ、ニワトリの卵だって」
ゆで卵なら大抵そうに違いなく
違うならウズラくらいの話で予想通りだが
それを海の幸と呼ぶことに引っかかるのである。

「何で海の幸にニワトリの卵?ほんとにニワトリの卵?」
ちくわだって昆布だって海苔だって引っかかるけれど
取り敢えず一番海からは遠い気のする辺りを突く。
再び店員に問うた同居人は
「彩りのためではないかと思います
間違いなくニワトリの卵ですから安心してお召し上がり下さい
だって」と、にわか店員の口振りで言うのだった。

「いや、こんな時間にね、そんな弁当食わんよ」
それだけ言って電話を切った。
どう頑張ろうと海苔弁は海苔弁だ
名前で誤魔化せると思うなという想いは胸にしまって。 2010-04-24 17:15 更新

薄靄の川面。

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