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跳躍紳士 [生活]

信号待ちのクルマから窓の外にひとを見る。
遠目には「紳士」という雰囲気がなくもなかったがそう言い切ってしまうには躊躇する。
奇異な動作と紳士は似つかわしくないが彼は猫が爪とぎでもするように
電信柱の高いところへ両の手を伸ばしては引くという動作を繰り返していた。
よく見ると動作にジャンプが含まれていてこれは電信柱に登ろうとしているのだと理解する。
何回か手すり様に柱から生えるボルトへ届きかけたが惜しいところでそれを逃す。
もう少しだと思っていると彼は一連の動作を切り上げ横断歩道を渡っていく。
信号が青に変わったのである。
時にウォーキングやジョギングのひとたちが信号待ちで足踏みしているのを見かける。
それらの行為と全く同じであるかのように装っていたが
平常を装う彼の握り拳はぐにぐにと動いていて戦いに敗れても闘志のあることを見せる。
まだまだやる気だな、頑張りたまえと思う。
電信柱の上に何があるのか知らぬけど。
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十日夜 / 曇り

1984

1984

  • アーティスト:
  • メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 2000/10/02
  • メディア: CD




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