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その醜い体の中には正義の心が隠されているのだ。 [過去記事/隙間三行]

とある講習を受ける。
講習は9時から始まることになっていて
席についたのは8時20分くらいだから余裕があるはずだった。
あるはずだった時間がなくなってしまったのは
100あるという座席のすべてがすぐに埋まったからだ。
講師は「えー、皆さんお揃いですので…」とかなんとか言うと
こちらに余裕を与えずカーテンを閉じてしまい
薄暗い教室にビデオを流し始める。
受講者はビデオのナレーションに耳を傾けていて
ひっそりと静まりかえっていた。
静寂を破ったのは携帯に着信のあることを知らせる調べで
よりによってというか何というか「妖怪人間のテーマ」である。
悲しいことにそれは紛れもなく私の携帯から発されており
薄暗い中、鞄から取り出し電源を切ったつもりで一息つくと
再び鳴るという具合だった。

挨拶すら交わしたこともないがいつも同じ場所で会うひとがいて
その時、決まって彼女の携帯が鳴る。
それは「デイドリームビリーバー」(どんな選曲だって私もか)で
それ以外に接点のない私にとって彼女は「デイドリームビリーバー」である。
同じ公式を当てはめると
講師と受講者合わせて100人から
「妖怪人間」と名付けられたかも知れない瞬間。

ちょっと嬉しかった 某月 某日(日)くもり

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