ファスナ無ければ催したところで自ら気付くこともなく。：元祖ぶりぶらぶろ：SSブログ

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ファスナ無ければ催したところで自ら気付くこともなく。　[愚] [編集]

疾うに忘れた筈のことを思い出した。
思い出すまではもっとマシなことと考えていていつもよりマトモなことが書けると思っていた。
これでは崇高な「親切」について書かれたブログに触発されてとは言い難い。

あれはまだ私が修学旅行の延長という具合に社員旅行などに出かけていた頃のことである。
夜中にみんなでトランプをしていた。
殆どが酔っており酔っていないのは私とＯ山氏だけだったと思う。
私の正面にはＡ部氏が座っていた。彼について少し説明すると自尊心が高い。
彼からそれを除いたら給料に見合わぬ高額の洋服と
ボヤッキーの顔を載せた痩せた身体しか残らぬというくらいの自尊心の持ち主である。
酔っ払いがバタバタ倒れていく中、まだ七、八人はトランプに興じていた。
Ａ部氏もＯ山氏も私もその中にいる。
配られたカードを取ろうと前傾姿勢になった私はちょっとした事故に気付いた。
浴衣を羽織り胡坐をかくＡ部氏のトランクスからナニモノかが「コンチワ」と挨拶しているのだ。
ご丁寧にふたり揃ってのお出ましであり、どうしたものかなと考えた。
異性との認識があるか知らぬが私は職場で唯一異なる性別にあり
一応そういう身であれば黙っていたほうがいいのではないか。
下手に教えて周りにばれたりしては自尊心の高いＡ部氏は酷く傷付くに違いない。
幸い酔っ払いばかりであるしＯ山氏はコンタクトレンズを外したらしいから気付かぬだろう。
一瞬のうちにそのようなことを考え黙っていることにした。
それから二時間が経過したというのはＯ山氏の一言で知ったのであった。
「Ａ部ちゃん、ＸＸが出てるよ、二時間前から」
そうかコンタクトレンズ外したってそのくらいの視力は残っているかなどと思っても遅い。
酔っ払いは遠慮なく笑うし、Ｏ山氏は平然としている。
わからぬのはＯ山氏が何故二時間待ったかである。