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田舎道で待ち伏せする能天気な水着女。 [愚]

聞いた話。

行った先の自動車修理工場に部品が在庫せず、別の工場を紹介された。
少し奥まったところまで行かなくてはならなかったが、どうということもなかった。
クルマを預けると暇なので付近を歩いてみる。
しばらく歩き続けるが飲食店のひとつもなくクルマもひとも通らない。
それにしても長閑だ、などと思っていると目前に奇妙なものを見た。何かおかしい。
このまま真っ直ぐ歩き続ける理由はない、退散すべし!と来た道を戻ろうとする。
後ろからぜいぜいと荒い息遣いがすると思うと「待って!待って!」と呼ぶ声がする。
遅かったかと思いつつ、そのまま前進を続けるが脇から前に回り込んできた。
「待ってっていってるじゃないですかぁ!どこへ行くんですかぁ?」
「何だ、お前?近寄るな!向こうへ行け!来るな、来るな!何だ、その格好は?」
「ひっどーい!お話くらいいいじゃないですかぁ!」

話しかけてきたのは水着の女で丸出しの腹はぷっくりと腰に巻いたパレオに乗っており
パレオは腰を巻き切る余裕がなく片方の足は腰の部分から露出されている。
天候は最近の暑い日と交互にやってくるどちらかといえば肌寒い日で水着の意図が不明だ。

「何をしているんだ、お前は?」
「携帯電話のキャンペーンでーす!」
彼女の来た方向に目をやると寂れた電器店のようなものが見えた。
それらしきノボリも立っている。
そのような風貌にも見えなかったが、ここに水着でいるからにはそうなのだろう。
足元を猫が通る。
「キャンペーンって、こんなところ、猫しか通らないじゃないか」
猫と言ったのがわかったのか、猫は立ち止まり顔を上げてみせた。
「あれはうちの猫でーす!」
「じゃ、あそこ、お前んち?」
「アッタマいい!ちょっとでいいから寄ってって下さぁい!」

修理にかかると言われた時間にはまだ余裕がある。これといって行くあてもない。
どうせしつこく食い下がってこられるのならと店まで行ってみた。
離れて見たときより余程古臭い。気の毒なくらいである。と、そこへ彼女の声がする。
「どういうものをお探しですかぁ?」
「探してねえよ、お前が来いって言ったんだろが!!」
コメント(6) 

コメント 6

セス

こんちすぅ、ひね。
こぇ~、あぶねぇ~、一番苦手なタイプだ。
考えられねぇ~、俺じゃなくてよかった。
by セス (2008-06-12 11:49) 

hinemosu-bomb

こんちすぅ、セス。
セスにも苦手なタイプなんてあるんだ。
水着ってだけでO.K.かと思った。しかも、女のひとだし。
by hinemosu-bomb (2008-06-12 12:11) 

げちゅ

すっご~~ぃです!
見てみたいっ!出会ってみたいっ!
あっ・・・げちゅは携帯電話の
販売とかしませんよ!
(↑先に言っておかなくっちゃ!危ない危ない・・・)
by げちゅ (2008-06-12 15:28) 

hinemosu-bomb

げちゅさん、こんにちは。
さすがのげちゅ画伯も想像でこの図は描けないですか?
ですよね?メルヘンからスリラーへ転身しなくちゃって感じですから。
どうしてもとお望みなら正確な場所を確認してみます。
お知らせできたら探検はお任せしますので
画像添付で報告書を提出して下さい(無事に帰って来られたら)。
by hinemosu-bomb (2008-06-12 17:57) 

8732

危険だぁ~!
by 8732 (2008-06-12 22:56) 

hinemosu-bomb

8732君。
忙しくてお休みしてるのにこんなところにいるほうが危険だぁ~!です。
重要任務を最優先させて下さい。
時々忘れる(ごめん)けど、大抵、ポチしてるから安心して。
by hinemosu-bomb (2008-06-13 13:57) 

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