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煉瓦とモルタルとギプスを煮る。 [愚]

Monday , 2nd November 2009 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

ミーアキャットは朝、出てきた巣穴から土をかき出す。
これをテレヴィジョン番組は掃除或いは見たまま巣穴掘りと言うが
実際のところは分からない。
所在なく手足を動かしているのかもしれぬし
今日の運勢を見ているのかもしれぬ。と言うのも
そこで紹介される内容は
概ねこうではと知られている生態と撮影した映像からの
推測らしき肩透かしがなくもなく
真に受けると、掃除でも巣穴でもない、落とし穴を掘っていたのだ。
私を落とすための。というアトラクションが随所に見つかる。

群れのリーダーだけが出産すると聞いて女王蜂のような印象を持つと
案外頻繁にほかのメスもころころっと仔を生む。
常に群れの安全に気を配りしているらしい見張り役は
リーダーの仔が迷子になって気付かず
群れの半分が消える傍目には一大事なんてときにも慌てる様子がない。
迷子は猛禽類に両肩を掴まれ空高く飛んで行く。
どうにも片道切符な空の旅で「ただいま」なんて日が来る気はしない。
やばいよやばいよと騒ぐ見張り役に即交戦の様を見れば
日々命を危険に晒す生活が如何に厳しいかと思うが
首筋に噛みついてみてくんくん、何だかとっても懐かしいニオイ
あ、仲間だ(いつか大量脱走の)なんて感じで掴み合う力を緩め
直ぐにだらりと寝そべってみたりヤスデを喰らったりされては
私の必要以上に力んだ身体もぐにゃぐにゃに緩んで有り難い。
有り難いが野性とは何だ、研ぎ澄まされた感覚なんてものは幻かとも思う。
せめてガブリとやる前に敵味方くらい分からないものなのかと思う。

これが解説のない映像で楽しめるものか分からぬが
解説が不必要に先入観を与えているのも事実で
話百分の一くらいに聞いておくことにする。

私の家にいたコロという犬はやたらに穴を掘って叱られていたが
叱られても叱られても大きな穴をあちこちに掘った。
何かを隠すための穴かもしれぬし憂さ晴らしかもしれぬ。
「実はね」などとコロは言わず正解は知りようがない。
「実はね」と言ったとしてそれを事実と捉えていいとも限らぬ。
犬が冗談を言わぬ決まりもない。

私も一時期、よく穴を掘ったのだけれど理由は曖昧である。
思い立ったように穴を掘ったが何を思い立ったか判然としない。
思うまま掘れるだけ掘って元通りに埋める。
掘り返した土以外のものを埋めることはなく
穴の底に向かって秘密を叫ぶこともない。
穴を掘った事実があるだけで動機を問われても答えようがない。

どういう気持ちでいたのかも分からぬが
面白く感じることはあった。
時に鉱物のようなものが出てくるのである。
350ミリ缶大、両錐、コーラ色の硝子に似た塊がごろごろと。
これは地球の秘密、今で言うレアメタル
或いは国か企業の秘密、産業廃棄物的な何かではと空想した。
そういうポイントがいくつかあった。
見つけるたび面白く思うが塊を穴から持ち出すことはなく
その正体は謎のままである。穴を掘った理由とともに。

今は専ら墓穴を掘るばかりで
今日も医者へ電話して予約を取り直したりするのであった。
墓穴に関しては専門家の域で手慣れている。
新たに墓所霊園事業を興そうなんてひとがいるなら
どうぞ、ご連絡をってくらいに。 2009-12-02 19:00 更新
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