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途切れぬ線、途絶える線。 [愚]

Tuesday , 22nd December 2009 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

雪は降る あなたは来ない と歌ったのはアダモ
なんてことは調べれば直ぐにわかるが
雪で来ないあなたが誰なのかは知らない。
それがサンタクロウスなら仕事への情熱が足りぬ。
トナカイの引く橇が用意されているのであれば
宅配ピザよりずっと好条件で休む理由はない。

雪の上を橇がどれだけ滑るかはよく知っている。
五歳の頃、雪の降る日に、父手作りの橇に乗ったが
緩い傾斜の空き地を飛ぶように走った。
板切れで出来た箱が完璧な乗り物として機能した。
トナカイ代わりの父が橇を飽きずに引いてくれて。
父も私も雪に橇に夢中で。

空き地は私の住む家に面していて日々の遊び場であったが
一晩の雪が普段とは全く違う景色に変えた。
柿の木もその辺に転がるケイブルドラムも古タイヤも
何もかもが白く着膨れている。

白い息を吐きながら顔を上げると家の窓が見えた。
窓辺に妹のいるのが分かる。
父と私をじっと見ているのが分かる。
その頃彼女は足を異常に重いギプスでガチガチに固めていて
晴天の日であっても外で遊ぶことは叶わなかった。
父とふたり、はしゃいでいた私は光線銃で撃たれた気がした。

何でもない顔をして私が手を振ったことを憶えてはいるが
彼女がどうしたかよく憶えていない。 2010-07-15 23:30 更新

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