灯りを消さずに眠る。

Saturday , 20th March 2010-2 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

通院後帰宅、荷物をひっ掴み忙しなく再び家を出る。
タクシー、特急電車、別の特急電車と乗り継いで着いたのは
その窓を通せば目前の景色が色褪せる勢いの
勢いのないくたびれたホテルである。
明日に備えての前泊と聞かされていたが
備えて整えるは体力や気力のことでないらしく
シャトルバスなんてものに乗り込むのだった。

これから数日をともにするひとは何もかもを悲観
あれこれ案じるあまりターミナルビルディングを４時間も往来して
私もそう暢気にしていては何か駄目かもしれんと弱気になりかけた。
バリバリ音のする薄切り肉を使った酢豚を食らいながら
これが最後の晩餐かとかそれにしては安直に過ぎるとか
では何が適切な食べものかとか
いっそ来なけりゃ良かったかなんてことが去来して。

しかし愚考の靄は酢豚を齧る私の両脇腹へ伸びる手に撹拌される。
脇腹に他人の手なんてくすぐったさは滅多なことでなく不意打ちである。
私の腹肉具合か、あちらの手のひらに肉球でもあるのか
へにゃぁなんてやわらかな触れ加減ではあるが
乱暴じゃないからいいわなんてものでは決してなく
何をするのだと振り返る。

背中合わせの椅子から落ちた幼児らしきひとが
足を床に滑らせながら必死な上目遣いで私を眺めていた。
へにゃぁであっても、この瞬間、私の脇腹は彼の命綱だった。
周囲は誰ひとり気付かない。
不意をつかれた私にも、私の脇腹で命を繋ぐ彼にも。
世の中のひとにはなかったも同然
そんなことが妙におかしくて、笑う。 2010-04-01 17:30 更新

+++> Morrissey - There Is A Light That Never Goes Out

タグ：正直一遍 to die by your side 脇腹へ伸びる手

コメント 2

幼児はもっすぴょんのお腹で
助かったのか？！うひょ～～～＼(;゜∇゜)/
その時もっすぴょんがそこにいなかったら、
幼児はもっと１人で大変な思いをいなくちゃ
いけなかったのかぁ！！
人助けなり！！
多少の肉も・・・必要だってことだ。
げちゅのおちりならいっぱい肉あるなりorz
by げちゅ (2010-04-02 12:26) 

こんばんは、げちゅぴょん。

多少の肉っ？これ、筋肉じゃないの？
あ、なんか、つまめる。謎の肉なのだ。
人助けにはなったけど処理したほうがいいみたい。
ドッグフウドにどう？
って駄目だよね。健康に悪そう。
げちゅぴょんは臀部にお肉かぁ。
でも尻もちの衝撃緩和とか役に立ちそうだよ。
脇腹肉が人命救助なんて今世紀中にはもうない気がする。
取り敢えずここ９０年はウエストづくりに専念するぞっ！！
by hinemosu-bomb (2010-04-02 18:41)