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猫とストーブ。 [愚]

Monday , 3rd May 2010 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

猫と暮らしたのは小学4年の初冬だったように思う。
暮らしたと言っても首に鈴を付けたばかりで
まだ名を付けぬ数日のうちにいなくなってしまい
猫の暮らしぶりをよく知らない。
外へ連れ出さずに消えた猫はオスの三毛猫で
場合によっては誘拐されることもあるのだと
彼がいなくなってから教わった。


僻地民家の仏間で猫のケイジと一緒に寝た。
ケイジというのは猫の名でなく、檻のことである。
外で振る羽根を束ねた玩具に
檻の中からじゃれる付き合いのいい猫が面白く
長いこと猫じゃらした。

小さな常夜灯だけが頼りの部屋で
かりりと響くのは猫がキャットフードを齧る音である。
しばらくするとぴちゃぴちゃと水を飲む。
夜明けまで幾度もそれを繰り返す。

朝になりケイジの外へ出された猫は
私の足へ身体を擦りつけて歩いてみたり
コードの抜かれた電気ストーブの横で自身の手を舐めてみたり
バナナの上を飛び越えて見せたりした。
何にしても思索に耽る顔で。

猫とストーブ。

2010-07-05 00:00 更新 / 2010-07-06 23:40 追記

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