SSブログ

押し潰されてワインとなる日まで。 [ずっと、ずっと、前のこと]

Wednesday , 7th July 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

5、6歳の頃、数週間を山梨で過ごしたことがある。
父の出張に同行したのだった。
暮らしたのは広い葡萄畑の隣の
露天風呂なんかもあるなかなか立派な造りの別荘である。
父がどういう仕事でそこへ出かけたのか
何故私を連れて行くことになったのか何も憶えていない。

葡萄畑には面倒見のいいコリイがいて
私は父が仕事に励む日中、度々葡萄畑へ潜り込んだ。
葡萄の木と葡萄の木の間に寝そべると
どうしたのだと言う顔で覗き込む大型犬の
鼻先や穏やかな目や毛むくじゃらの手足があって
その先に葡萄の葉が、その先に空が見えた。

それより他に憶えているのは
毎晩、イカの塩辛を食らっていたことくらいである。
酒飲みの父と酒を飲まぬ私ふたりで
桃屋の塩辛を日に一瓶空にしていた。
気儘で楽しい時間を過ごしたのは確かだが
今になってみると我々が留守の間
妹や母はどうしていたのかと思う。  2010-09-08 20:30 更新

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。