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余所にもつと青い森があると知つてゐた [日々の暮らしで思うこと]

Friday, 11th December 2020

瓶に挿したガーベラ3本のうちの1本が完全に床を見下ろしていて、買ってきたのは6日前の土曜日で、枯れるというか萎れるというか、その過程も眺めがよかったので見続けてしまったけれど、花の気持ちとしてはどうなのか。頭を下げた首辺りの茎が、水を吸う余地なく折れ曲がっていて、まだ頑張れと言うのは酷で捨てた。2本はまだ、コロナビールの空き瓶で死に向かいながら咲いている。

可燃ゴミの日だったけれど何も捨てなかった。昼頃、郵便物を郵便ポストへ投函して、月曜日に行く筈のパン屋へ行って、食パンとクロワッサンとチーズフランスと明太子フランスと焼きカレーパンを買い、現金で1285円を払った。明太子フランスの焼き具合がよく、パンをかじるとパリッと弾ける音がして、口から鼻へ香りが駆け抜けてうっとりした。パンに身を任せ過ぎて、白目を剥きかねなかった。午後遅くに期限切れの即席ココアを飲んで美味しかった。

面倒くささが募り、ダウンの上着で犬を抱いたならノーブラでゴミを捨てに行ってよいのではみたいなヒトとして後退する感じの法律を次々思いつく。法治国家として存続できるだろうか。気分の良さがまだ続いているのか曖昧で、続いている気はするのだけど、仕事量に比例せず、有効利用出来ていない。

誰とも打ち解けられないと言いながら親友がいたのかと思うひとがいたか知れない。ベンチの気難しいひとで言えば、初めの二か月、あからさまに凝視し続けて口を利かず話しかけてくるなという態度を貫いたあと、そのような私が故障で道端へ放り投げてきた原動機付自転車を何故か国道までひとりで拾いに行ってくれるということがあって距離が縮まった。自分では動かしようもなく重い重い厄介なだけの塊をクルマに積むことの出来る腕力体力に、異性なら普通なのか、彼がそれに優れているのかわからないまま、感心した。親切な振る舞いだとも思い、お礼を言って口を利いた。後になって、そこそこ腕力のあるひとだとわかった。凝視し続けた理由を訊かれたら自分でもわからず答えようがないと思ったけれど、訊かれることはなかった。休日の遠出について「日本海を見に行ってくる」などと言って不自然でなく、何だよそれ、カッコいいな、詩人か何かかと思い、私もいつかそんな言い方をしたいものだと思った。彼は同居人を除けば正真正銘最後の親友で、その後、気持ちが通じる、解り合える、解かって貰いたいというひとに出会っていない。

「ビートたけしはつまらなくなったのか」スピード感はなくなったし、滑舌もよくないけれど、彼が話そうとすることを最後まで聞いたなら面白い話だったのではという場面は時々あって、限られた時間の中で無駄にオチのない話をしたように見えて、歯痒い。事件や事故で国民の玩具にされておかしくなかったところをビートたけしであり続け、親が死んで泣く姿をテレビカメラで映されてもいる。歳をとってテレビに出続けて何が悪いのか、お釣りが来るわ。何にしても物事を多角的多面的に鋭く捉えるという点で特異な才能を見せてきたのは確かで、弟子入りしなかった弟子の心持ちというか、生きているだけでいいくらいのひとなんだよ、つまるとかつまらないとかでなく。何の気負いもなくさらっと、三十歳過ぎて親を許せなかったら駄目だとか言ったりするのだけど、誰が言っても納得できる話ではなくて、ビートたけしであれば聞く耳を持つというようなことが私には割とある。誰が言うかでなく内容で判断せよと脳味噌に焼印していながら。

ビートたけしが対談をすると対談相手に話す隙を与えないというか、ひとりで話して場が成り立つ話術があったのだけど、伊丹十三との対談では伊丹十三に押され気味で、伊丹十三の影響も受けている私には面白い組み合わせだった。どんな話をしたかさっぱり憶えていないけれど、ビートたけしは感覚的で伊丹十三は理屈っぽかった。後に伊丹十三が亡くなったときに津川雅彦だったと思うのだけど、ワケもわからないのがパッと出て来て賞を貰ったらねと、ビートたけしがヴェネツィア映画祭で金獅子賞となったことをさも伊丹十三が悔しがったかのように言って、伊丹十三にもビートたけしにも失礼だろと思った記憶がある。ビートたけしのことは芸人として見ていてあまり監督作品を見ていないのだけど、対談で感じた、ビートたけしは感覚的で伊丹十三は理屈っぽいというのは映画の作風にも言えるように思う。優劣ではなく好みの問題で、私は、理屈は文字に出来るので、映画は感覚的なものをどう表現するのか見たい。好きな映画のひとつがパリ、テキサスなのだけど、筋書きでなく、こんなふうに歩くのはどういうことかなどと場面ごとに考える余地のあるところや、映像そのものの美しさとかが好き。暫く見ていないので記憶が不確かで上手く言えないけれど。

他にゴッドファーザー、時計じかけのオレンジ、フルメタルジャケットも好きだけれど体力が無いと見るのがしんどい。セルピコ、狼たちの午後、レザボアドッグスも同様に好きで、これらは時を選ばず見ることが出来る。一番回数を多く見たのはウェインズワールドで50回以上見た。多分一生分を見たのでもう見ない。テレビ番組でヘイミッシュ・マクベスというロバート・カーライルが犬を連れた警官役を演じているものがあって好きだった。そこでの最初の恋人が気に入っていたのだけど、 別のひとと付き合う展開に不満だった。後の恋人役を演じたひとがトレインスポッティングで酷い目に遭う役で、演じたひとに罪はないのに、ちょっと気が晴れた。ロバート・カーライルには手紙を書いて、サイン入りの写真を返事に貰った。

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