SSブログ

花咲くパラパラ漫画。 [アリバイ]

Friday , 17th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

曇り空の下を寒さに震えて歩く。
紹介された宿は空港からとても近かった。
午前中に部屋へ通され
手荷物カートに乗ってひと晩過ごした身を寝台へ沈める。
生き返った心持ちになって死んだように小一時間眠る。

それから思いがけず得た空き時間を使い散策に出て
自販機でクロケットを買ってみたり
聖ニコラスの従者らしきを見かけたりする。
自販機に入れてあるくらいだから作り置きだろうに
クロケットが塩辛いけどもカリカリして美味。小躍り。

日本時間 2010-12-05 午後5時過ぎから10時頃のこと / 2012-01-23 23:50 更新

アコーディオン弾き。自販機。カリカリクロケット。


共通テーマ:日記・雑感

オレのステッキがないんだよ! [アリバイ]

Thursday , 16th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

観光案内所へ行き、空港近くの宿をとる。
宿の手配をしてくれたお礼に
オランダ語でありがとうと言うと恐縮するほど喜ばれた。
英語の通じる国という評判のせいで
オランダ語を学んで訪れるひとが少ないのかも知れない。
オランダ語を学んでなどと言ってありがとうしか言えぬが。

日本時間 2010-12-05 午後5時頃のこと / 2012-01-21 22:05 更新

曇り空。
牛。


共通テーマ:日記・雑感

ヤドカリの貝殻の。 [アリバイ]

Wednesday , 15th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

空港へ取り残されたひとびとは
空港内の簡易宿泊所へ泊まる
閉店した飲食店のベンチ或いは待合所のソファに寝る
航空会社のカウンタ前に列をつくる
概ねこれら三つの手段からひとつを選ぶ。

身体を伸ばして眠りたければ
簡易宿泊所のベッドか閉店後のベンチを選ぶこととなるが
同時に航空会社のカウンタに列はつくれず
受付の順番は遅れ、次の便の確保が難しくなる。
必然、私たちはカウンタ前に並んだ。

並んだからと言って
いつ開くとも知れぬカウンタの前で立って待つ必要はなく
新聞紙や衣類を床へ広げ寝転んでいて構わなかった。
しかしながら真冬の北国の空港の深夜の床なんてものは
寝るに不適なことこのうえなく
転がったそばから凍死のはじまる勢いである。

身体を伸ばすことを諦め
手荷物カート2台を自らの身で繋ぎ留め寝台代わりな
どうにも不安定極まりない態勢でもって
カウンタ受付の順番を守り、厳しい寒さを凌いだ。
カートは手荷物を載せるように出来ており
無理矢理乗る人間など歓迎せず身体を歪ませられるばかり
少しも眠れるものではなかった。

そのように夜を徹して守った順番が回ってきたとき
その日に飛ぶ便は既に満席となっており
得たものは歪んだ身体をひねる伸ばす縮めるなどして
乗ったまま2台のカートを操り移動する技術だけである。
ま、翌日便の座席も確保したけれど。

日本時間 2010-12-05 午前7時頃から午後4時頃のこと / 2012-01-20 12:10 更新

航空会社がくれた食事券でサンドウィッチ。
深夜の空港を走るもの。
大量生産品に埋もれて。


共通テーマ:日記・雑感

視覚と聴覚の攪拌。 [アリバイ]

Tuesday , 14th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

余裕をみて宿を出ては来たが
三時間もすれば飛行機に乗れるものと思っていた。
思惑は外れ
出発ゲートへ呼び込まれてみたり
今はまだ飛べぬと追い出されてみたりする。
問題は経由地アムステルダムの天候
アイスストームで着陸できぬらしい。

昼。

免税店を回り、絵はがきを送るなどして数時間
空調の利かぬ冷凍飛行機で二時間弱
テーゲル空港で昼と夕暮れと夜を経てようやく
ベルリンを飛び立つ。
こう遅れてはアムステルダムでの乗り継ぎが不安である。
客室乗務員に訊ねると
中国行きが欠航となったほかは万事順調
心配要らぬと笑顔で私の肩をさすってみせた。

夕暮れ。

朗らかな客室乗務員の態度は少しだけ心を和ませたが
便名を確かめて保証された訳でなく不安に変わりなかった。
というのも同行者は勤務先を休んで来ており
3泊5日が限界の日程なのである。
乗り損ねては限界を超えてしまう。と案じる間に
スキポオル発成田行きは離陸しており
アムステルダムへ着いたときには
自身の翼で飛ぶことの叶わぬひとびとが大勢
空港に取り残されていた。

日本時間 2010-12-04 午後7時頃から 2010-12-05 午前7時頃のこと / 2012-01-18 15:55 更新

夜。


共通テーマ:日記・雑感

ゆっくり回る毒。 [アリバイ]

Monday , 13th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

テーゲル空港に着く。
この国へ来てから殆ど何も食しておらず
林檎を使った焼き菓子を請けに茶を喫す。
と言うと何の苦労もなかったかのようだが
カウンタチェア座部の無謀な高さに
腰掛けるまで時間と体力と忍耐を要するのであって
誰と目標を定めぬまま「独活の大木が」と罵言。

日本時間 2010-12-04 午後7時頃のこと / 2012-01-07 23:40 更新

Apple strudel


共通テーマ:日記・雑感

二本のミネラルウォーター。 [アリバイ]

Sunday , 12th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

安宿の部屋がどうあろうと構わぬ気でいたものの
酒場からは一晩中野獣の喚く声が聞こえ
鍵の旧式さに防犯的機能は全く期待出来ぬと
同行者は侵入者に備えてバリケイドを築く有り様。
眠れぬ夜は長く耐え難く気の滅入るものだったが
朝が来てしまうと怪しさも喧騒も嘘のように去り
空が眩しく輝くのだった。

フロントへ行きタクシーを呼んでくれるよう頼むと
フロントのおじさんに後ろから両肩を掴まれる。
そのまま人形のように操られ
固く凍る雪の上を二十歩ほど行くと
おじさんの示す先にタクシー乗り場が見えた。
人形扱いされたのがおかしくて笑うとおじさんも笑う。

部屋で待つ同行者と荷物を引き上げチェックアウト
Dudenstraße を後にした。

日本時間 2010-12-04 午前8時から午後6時頃のこと / 2012-01-03 11:35 更新

朝。


共通テーマ:日記・雑感

遺体安置所バンギング。 [アリバイ]

Saturday , 11th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

薄暗く胡散臭くやけに長い廊下を経て行き着いたのは
安宿に相応しい薄暗く胡散臭く窮屈な部屋である。
そこで過ごす時間など高が知れていて
部屋がどうあろうと構わぬ。
荷物を置き、着替えを済ませると、直ぐに狭い部屋を出た。


超低温冷凍倉庫のような道を歩みライヴ会場へ向かい
超低温冷凍倉庫のような場所で列をつくり開場を待つ。
雪像になりかけ凍死しかけて私は
知らぬ間にライヴハウスの扉に頭突きを連発で食らわせており
同行者に身体を揺さぶられ正気を取り戻すのだった。
日頃の私が正気であるとして。

立ったまま数え切れぬほど気を遠退かせて粘り
昨日に続けて最前列を得る。
正直者が馬鹿を見ることの少なくない昨今
命懸けの努力が報われて清々しい。

空港で会っただけでステージ上のひとが身近に感じられ
友達気分で手を振る。
漏れる笑みは私に向けられたと勘違い出来る私は
幸せなときを過ごす。

日本時間 2010-12-04 午前0時から8時頃のこと / 2012-01-03 09:55 更新

友達。


共通テーマ:日記・雑感

雪積もる橋の上の少女。 [アリバイ]

Friday , 10th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

憧れのひとと、言葉を、握手を交わし
酷く高揚した気分のままテーゲル空港へ。
一枚のカーテンでアッパーとエコノミーにクラス分けされ
今宵もステージの上と下に分かれる運命ながら
バンドのメンバーと同じ飛行機で。
滑走路から空港建物へ向かうバスも荷物を受け取るのも一緒で。

おやつ。

テーゲル空港から乗ったタクシーは暖房が効いており
程よい音量でジャズが流れてもいて
寛げそうな雰囲気ながら
裏腹に雪道とは思えぬスピードで飛ぶように走りどこまでも走り
少しの不安を抱かせておいて
正確に目的地へ連れて行ってくれる。
よく番地と名前だけで分かったものだと感心する
小さな安宿へ予想よりずっと少ない料金で連れて行ってくれる。

手続きを済ませて部屋へ向かうホテルの廊下は
薄暗く胡散臭くやけに長い。

日本時間 2010-12-03 午後10時から12時頃のこと / 2012-01-03 08:45 更新

長い長い廊下。


共通テーマ:日記・雑感

伯林行きの飛行機で。 [アリバイ]

Thursday , 9th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

思いがけず昨晩出かけたライヴの出演者と
同じ飛行機に乗り合わせる幸運に恵まれる。
ステージの上にいた出演者の皆さんと
ステージの下にいた一観客の私が
言葉を交わせる距離に近付けてしまった。
奏者のうちのひとりはその瞬間において
世界で一番会いたいひとと言ってよかった。

搭乗券 アムステルダム発ベルリン行き。

搭乗から離陸までの時間
図々しくも世界で一番会いたいひとの隣の座席に座り込み
サインを貰い、握手をかわした。
私よりずっとずっと彼のファンである同行者を差し置いて。

というと私が遠慮すればよさそうなものだけれど
同行者は彼を熱愛するあまり緊張しまくり
近付くことも声をかけることも出来ずにいて
私が厚かましく振る舞わねばサインを貰うなんてことは
この先、一生無いくらいの奇跡的な機会で
「サインもらえますか」「勿論」
これを逃す訳にはいかなかった。

厚かましく振る舞ったに過ぎぬ正真正銘小心者の私は
滅多なことでは起こり得ぬ事態に内心慌てに慌てており
サインを貰うのに適したものが何であるか
考える分別を完全に失い
貴重なサインを旅券に貰うのだった。
旅券を差し出す私に大丈夫かと訊ねてくれる彼に
大丈夫!と断言をして。

日本時間 2010-12-03 午後10時頃のこと / 2012-01-01 16:35 更新

サイン。


共通テーマ:日記・雑感

垂氷の鈍く光る空。 [アリバイ]

Wednesday , 8th Decmber 2010  gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

トラムと電車を乗り継ぎ空港へ。
流れる景色はもれなく雪化粧されていた。
40時間ほど前に日本から到着した空港は
当然ながら何ら変わっておらず
クリスマスの装い。

山盛りな肉と山盛りなじゃがいもを同行者と分け合う。
分けても分けても分け切れぬひと皿が
この国のひとり分らしい。
鮮やかな色に惹かれて選んだ赤の炭酸水は存外に飲み難く
喉ではなく目を潤す。要は涙目。

日本時間 2010-12-03 午後5時半から9時頃のこと / 2012-01-01 15:55 更新

山盛り料理と赤の炭酸水。


共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。