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あなたの愛する人は誰?とか平気で聞くんだね。 [生活]

始まりは時間潰しに入った書店にあった。
それは一冊の文庫本で帯には「一生遊んで暮らしたい」と書かれていた。
そんなことは確かに考えたりするだろうが心に秘めておくことで
帯に書いては怠惰であると宣言するようなもので誰かの興味を引くのかと思ったが
そう考えている私の興味を既に引いていた。
頁をめくるとそこには今まで読んだことのない世界が広がっていて
潰そうとした時間より長く書店に居座らなくてはならなくなる。
しかし一冊読み終えるだけの自由な時間はなく慌しく文庫本を手にレジへ走った。
一気に読んだ。
ついでに隣に並ぶ同じ著者の別の本も一冊買っておいたがそちらも一気に読んだ。
マズイなと思った。文庫本になっているとは随分出遅れているではないか。
何故ここを飛び越えてしまっていたのだと思った。
著者のことを知らない訳ではなかったのだ。
しかし生半可に知っていたばかりにこれほど私に向く本を遠ざけていた。
皮肉である。
その頃の私は気力というものが全く無くて世を儚んでばかりいた。
けれども夢中になるものがあるというのはちょっとした希望である。
いつ死んでも構わないと自棄であったのが次の著書を読みたいと思う。
彼が作家である限り読者でありたい。
愛するひとと言ってしまうと妙なのであるが
重要な部分を支えてくれているひとをそう呼ばずして誰をそう呼ぶのかと思う。
そうした訳で身近な人間ではなく愛読書の著者を愛するひととする。
時に合わない作品もあるがハズレがあってこそアタリの有り難味が増す。
次の作品を待つため少し先まで生き残ることを願う。
出遅れたままずっと読まずにいた場合の私は想像がつかないが
今より良い方向にいることは絶対にないと思う。

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