二年前の夜。

ひとりで散歩に出る。
現状でのひとり歩きは心配であったりするのだけども
心配といっても他人に害を加える類のことではなく
院長や園長や署長などの許可も不要なのであって、自由である。
ひとり歩きに心持ち不安を感じていると大型犬が抱きつかんばかりに迫り
リードを握る男性は恐縮して詫びを述べる。
不安が人格を操作するのか「大丈夫」などと温厚に返答、犬の額に触れたりする。
整えられた毛並みは案外ごわついていて硬い。
犬種はグレートデンらしい。
利口で部屋で飼っているが問題ないなどと
先の振る舞いも忘れて饒舌な飼い主に犬の名を訊ねる。
途端に声が小さくなり殆ど唇を動かしているだけになる。
訊き返すが同じ反応でどうやら触れてはならぬことらしい。
一時の思いつきで恥ずかしい名でも付けたのであろうか。
飼い主に「それじゃ」、犬には「バイバイ！」と言って別れた。
心の中では「バイバイ、たわし！」てな感じで。
実際の名とどちらがってほど気の利いたものでもなく声に出すのはためらわれて。

月光の道　３月 ２４日（金）

タグ：月夜のひとり歩き

コメント 2

ひね。
名前が気になるぅーーーーそう言う時は、ひねが面白い名前付けちゃて。
分かった事は、犬種と、ひねが犬好きってことだけ。
あと、毛並みがたわしってこと。
by セス (2008-06-25 21:09) 

セス。
面白い名前じゃ、答え難さは変わらないじゃん。
これだけで犬好きってわかった？当たりだけど。
こどもの時、コロって犬がいて大好きだった。
初めて会った日のことを今でもよく思い出す。
最期の日のことも時々思い出す。
by hinemosu-bomb (2008-06-25 21:55)