オリーブオイルとクスベット。

Tuesday , 9 june 2009 gremz エネルギー問題 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

「重大事件発生、何時何分に迎えに行く」といった出動要請を受ける。
重大事件では放ってもおけず、愛機や飲料水など、あれこれ鞄に詰めて待機。
クルマの音がして、お、来たなと出かけようとして玄関の鍵を持たぬことに気付いた。

ポケットや鞄やその辺を探すが見当たらぬ。しかし、重大事件を待たせる訳にもいかない。
取り敢えず、出かけてしまえ。車中で同居人に連絡をつけ、即刻、施錠させてしまえ。と考え
玄関を出ると、拙宅近辺の日常的な風景が広がり、治安の問題が何かと散在している。

気掛かりながら、考えてどうなるものでもない、と考えることを放棄した結果
「ロック、ロック！」と、ＬＯＣＫだかＲＯＣＫだか、知れぬことを言って戸締りの体を整え
門扉の鍵に望みを託し、隣家と接する柵を乗り越え、家を空けた。

そういうこともあるとは思ったが、いくら電話しても同居人は捕まらなかった。
思った以上に捕まらなかった。それなら仕方無いと諦めた。鍵も同居人も。
重大事件のひとに心配をかけてもと、鍵を掛けてこなかったことは黙っていた。

同居人から電話があったのは二時間くらいしてからのことである。
「どうかした？」と訊かれ「急用が出来て、外にいる」と答えた。
そして「で、鍵持ってないじゃん」と続けて「誰が？」「ひねが」「何の？」「家の」
「どうして？」「分かんない」「それで？」「鍵かけてない」「何の？」「家の」「えっ？」
「だから、家に一旦帰って、鍵かけといて」「わかった」ってことで連絡はついた。

ふぅ、なんて思っていると「嘘！！」と大声なのは、重大事件のひとだ。
「いまどき鍵をかけないなんて有り得ない、信じられない、馬鹿だ、馬鹿だ」とか続く。
「や、今、かけるって」「あれから、何時間経ったか知ってる？」「二時間？」「馬鹿！」

そうか、馬鹿かと思った。鍵とは無関係に、馬鹿を否定する材料が見当たらなくて。
いい気はしなかったが、悪い気もしなかった。ただ、そうかと思った。
それから重大事件を片付けて、深夜、帰宅する。

普段は大抵のことを「ひねだなぁ」と勝手に納得する同居人が
「何をしでかすか、ほんと、分からないなぁ」とか言ったりして
そうか、施錠はやはり大切らしいなんて思うのだった。

ひとりになると

　どうかどうかこのまま　楽しく生きさせてね　

とか歌って、寝た。割と気分よく寝た。　 2009-06-16 23:35 更新
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タグ：正直一遍 HEY! HEY! ROCK! ROCK! 69

コメント 2

ひねさん、こんばんは。

なんかこの記事すごく好き。
最後の落とし方とか。

太宰は落語をこよなく愛していたそうで、最後に落ちをつけるという書き方をしてたらしいの。
文章の美しさに加えて、そこも私はとても好きだった。

しかし、この女に何か役に立つことができる重大事件とは、いったい何ぞや？としばし考えてみた。



by ira (2009-06-18 00:19) 

ira さん、こんばんは。

これ、落ちてた？そっか、よかった。
８日を経て、昨日、鍵を発見しました。
そう、落ちてた。

あ、思い出した！太宰の若い時の写真が発見されたとかいうの、見た？
あれ、どうなの？ ira さん的に。
ひね的には『 優等生 』のバッジが気になった。
何か、果物の箱とかに書いてそうだなぁって。

そりゃ、適材適所って言葉がございますでしょ？
ひねも、どこかできっと役に立つはずなんです。
ほら、夜中に人魚姫を呼び出すとか、ね。
by hinemosu-bomb (2009-06-18 01:00)