海辺のゆりかご。

Saturday , 4 july 2009 gremz 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

誰の好みか、どこの習わしだか知らぬけども
朝食には搾りたてのフルーツジュースと淹れたての珈琲なんかが並べて出されたりする。
刺激的な組み合わせで胃腸でどんな科学的及び非科学的反応を見せるか知れたものでなく
選択肢があったり、断る余地があればそうしている。

稀に気の迷いが生じて、オレンジジュースに珈琲なんて組み合わせを頼んでしまう。
この日がそうで、どのタイミングで何を飲めばいいのか、さっぱりである。
パンをひと齧りしてオレンジジュースを、オムレツをぱくついて珈琲をなんてやるが
少しも美味くない。胃の中がチャプチャプ音を立てるばかりである。
悩んでも仕方なく、腹をチャプチャプ仕立てにして朝食を切り上げ、散歩に出る。

巨大クモを見たい見たいと思っていたが、人混みを嫌っていてクモに近付くのは困難である。
そこで、まだ寝ている巨大クモを襲撃という手段に出た。
警備員はひとり、クモを操るひともいない。
狙っていた訳ではないが、案外容易く奪取可能な気がして「攫っちまおうか」と提案するも
同行者は警備員はひとりに見えて増殖するなどと、こども騙しを言うばかりか
私の手を引いてその場を無理やり離れてみたりして
誰が攫われているんだって具合に巨大クモ操縦の夢というか思い付きは破れる。

街のあちこちには座り心地の悪くなさそうな意匠のベンチが置かれている。
座り心地を試さなかったのは、それらの多くに熟睡中のひとが身を任せているためである。
中にはいびきをかきながら器用に飲み物の缶を手に握るひとがいて注目してしまう。
寝息とともに揺れるコーラの缶が空なのか中身が入っているのか分からぬまま素通り。
素通らぬ場合、空なら捨てろ、中身が入っているならさっさと飲めって程度のことだけども。

海からは潮の香りがして、廃線の線路が残された遊歩道には色鮮やかな朝顔が咲いていた。
オレンジジュースも珈琲も過ぎた自己主張をせず、何ごともなく散歩を済ませた。
汗を流しに風呂へ入り、米国独立記念日だねぇなどと言ってみる。多分、意味はない。

2009-07-22 22:45 更新

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