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キタメシモアサガケ。 [愚]

Saturday , 26 september 2009 gremz 自然破壊 森林破壊 大気汚染 オゾン層破壊

同居人と外出する。歩き始めて直ぐに、ああ、と思う。
気付けばレースのようなことになっている。速く歩くことの価値を考えずに。
「あ、今、走ったよねえ」「いや」「ズルはやめたまえ」と
競歩めいたルールに従うが、競歩のように腰は捻らぬし、定められたゴールはない。

同居人は長いこと吸い続けてきた煙草を、ある日突然、嘘のように呆気なく止めた。
これもゴールのない話で、メダル剥奪の可能性は、いくらもある。
持っていて威張れるほどでないが、邪魔にもならぬ。首から下げておけ。
なかなかに潔い止め方だったよ。

私の首は、メダルも賞金もかかっておらず、すかすかで清々しい。
清々しさと裏腹に、抜きつ抜かれつ、意味なく速さを競い、歩くのだけれども。
こう急いでは様々なものを見逃がすが「行雲流水」の白抜きを翳すひとに歩調が鈍る。
禅僧か何かを装う狙撃者の思う壺である。弾を避けず、命中を確かめず、通り過ぎた。

勢い、土曜午前の閑散とした au ショップを通り過ぎ、いかんいかんと戻り、用を足す。
手続きの途中「それはお客様センタに伺って下さい」と怪しい日本語を繰り返す男性は
接客に熱心では俺、尊厳を損なうかもという芸風、そこそこの用件を済ませて店を出た。

出来ぬことを無理にとは言わぬが「自分には分かりません」は端から投げているよなぁ。
そう言おうとして「ま、空も曇っていますしね」と別のことを挨拶代わりに店を出た。
何だろう。気分がクルクル変わる。

再び、パタパタと歩き、指を頬に当て考える主婦の方々を牛蒡抜きにして、食料を調達。
午後の襲撃に備え、珍しく手土産の菓子などを買う。在庫切れの日用品も忘れずに買う。
忘れたらフォルダにセットされた使いかけのトイレットペイパしかないギリギリのところで。

荷物を抱えてもまだパタパタ歩く。景色もひとも高速でびゅんびゅん消え去る。
「あ」と立ち止まり「おーい」と同居人を呼んだ。「マジ、戻って来なって」「何」「ほら」
飼い主探しの仔猫の写真だ。「つぶあん」と「みそピー」とか、そんな名前の。

歩く。礼。
2009-10-01 10:55 更新
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