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海へ沈んだ十一番目の雲 [日々の暮らしで思うこと]

Thursday, 3rd Decembet 2020

両親に私がどんな人間になって欲しいか望みがあったとしたら、と考えて、そこで思考が停止する。もし、そうなら、どうなのか。私はただの足枷ではなかったと思ってよいのか、今の私を見てがっかりせぬか、何も分からない。何も分からないのは、納得のいく説明がどこにもないからで、考えても仕方ない。そう思っても、幾度も同じことが頭に浮かぶ。暇なのかな。何の問いもないのに答えようとして、誰のことも憎んでいないと言おうとすると、本当にそうなのか自信がない。憎んでいるひとなど思い浮かばないけれど。

24時間心電図を剥がして皮膚が痛んだものの、自分を信じていないところがあり、またまた大袈裟なんだからと思っていたら、なかなかの蚯蚓腫れになった。敏感肌用化粧水などを買うとき、繊細ぶってごめんなさいと少し気後れしたり恥じたりしていたけれど、今後は堂々と買って良いと思う。多分、今までも堂々と買って良かった、誰も責めたりしていない。

Pさんに借りた5万円を返した。出来る限り使わないでおこうと思っていた口座から、クルマの残りの代金を振り込んだ。もう手を付けずに暫く過ごしたい。自分の持ち時間が判れば、このくらい使っていいとか駄目だとか、計算出来るけど、何のヒントも無くて、大丈夫なのか大丈夫でないのか、皆目。絶対に感情を持たない有能な機械に仕事をして貰って、ベーシックインカムとかで暮らせたらいいのに。才能のあるひと、表現したいひと、お金がもっと欲しいひとなどは、それらに打ち込んだ分、たくさんのお金が儲かるようにして。私は大した考えもなくアルバイトをするうち社員になる機会を得て、自分向き且つ遣り甲斐のある仕事をさせて貰ったけれど、誰もがそういう運に恵まれる訳ではないし、私自身、仕事量が途方もなくなって働き続けることが出来なかった。何をどういう具合にどれだけ出来るかということより、どれくらい我慢できるか、どれだけ自分を殺せるか、多くのことが忍耐力で決まったと思う。何を言おうと、負け犬の遠吠えだけれど。

大抵、Pさんの留守にシャワーを借りているのだけど、行くのが遅れて、帰宅したPさんと遭遇した。酢の瓶を2本並べて、好きなほうを持って帰れと言う。先日、急に酢を飲ませろと言ったので、酢に飢えていると思われたのかもしれない。はちみつりんご黒酢とブルーベリー黒酢のどちらにするか迷っていると、ブルーベリーを知らないと思ったのかブルーベリー黒酢を知らないと思ったのか、ブルーベリーヨーグルトの味だよと教えてくれたのだけど、残念ながらブルーベリーヨーグルトの味を知らない。ヨーグルトは苦手で殆ど食べない。何かケチがついたので、はちみつりんご黒酢を貰った。本当はブルーベリー黒酢が欲しかった気もする。

隣家の外壁塗装業者の持って来たシャトレーゼを貶すとPさんに、おしゃれな店と言うひともいる、とたしなめられた。ふうん、だから?と反抗期みたいな文言が浮かんだけれど、へえ、とだけ言った。貰ったシャトレーゼのチョコレートパイを先日半箱お裾分けしたけど、Pさんは食べたらしいのに美味いとも不味いとも言わない。実際、美味くも不味くもなかった。炊いて二時間置いた米飯に似て。三種類の味があり、コーヒー、アーモンドと来て、キャラメル?ミルク?ミルクティー?と思うと胡麻で意外性はあった。

トップバリュのタオルは可もなく不可もなく。やわらかいでなくゴワつくでなく、水を吸うでなく吸わないでなく。大きな粗が無いのはある程度の品質ではあるのだろう。ほんの気持ちには丁度いいのかもしれない。

ベルスリーブとかスパンコールやビーズや刺繍やワッペンの主張強めのTシャツやセーターが好きなのだけど、考えることが面倒で、この頃は大抵、無印のワンピースを着ている。麻とか綿とかネルとかガーゼとか、布の厚みや触り心地が違うものの形は殆ど同じ。買うときには高いかなと思っても、長持ちして、ポケットが必ず有って、着ていて楽で繰り返し何度も着て、適正価格でしたねってなる。時々ミシンがあれば自分で縫えるのでは?と思うけれど、ポケットはまず無理だし、型紙を布に当てる辺り、長い工程のスタート地点で前後不覚となり暴れて核爆弾のボタンを探すと思う。地球の平和のために、無印のワンピースを着ておく。無印の靴下も買っていて、これはとても安い。安いけれど、他で安売りされているものに比べ、履き易く、丈夫だ。一番良いのは紙と糸で綴じられていること。金属やプラスティックが使われておらず、外し易く、捨てるときの分別が楽。文具については無印は全く駄目と思っていて、特に筆記具に良いと思えたことがない。メモ帳とノート以外は買わないと思う。

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「僕たち、それほど歩かなくてへいきなんですよ」「ですよ」
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中学二年から三年になるまでの春休みだったと思う。友達と四人で一日でスカートが完成するという洋裁学校の無料講習会に出かけた。私は前夜、へとへとに疲れていてどうにか眠りたくて、母の睡眠薬を2シート28錠くらい飲んでいた。殆ど眠れないまま朝が来て、眠くなることはなく、ふらつきもしなかった。それで何も考えずに、スカートをつくりに行った。つくりはじめて一時間経たないうちに、ドドドドドドドドドと鼻血が出た。2シートの睡眠薬のせいか、不慣れな裁縫のせいか、何なのか判らないけれど、出始めはペンキのスプレー缶になったかと思う噴出具合で、私より周りが慌てた。隣室へ連れて行かれ、とにかく横になるよう言われ、ティシュやらトイレットペーパーやらで顔を埋め尽くされ、長椅子に寝かされた。鼻血の勢いは直ぐに収まったけれど、止まらず、じんわり続く。動くと出るので天井をじっと見ていた。時々、友達や講師が様子を見に来て、大丈夫と答えたり、今は仮縫いだとかミシンを使うとか進捗を聞かされた。途中で鼻血は止まったけれど、ずっと天井を見続けていた。眠れないなら1錠でよかったし、1錠も飲まなくたってよかった、そんなことをぼんやり考えていて、起き上がって戻る気持ちにならず、講習会が終わるまで長椅子にいた。私のスカートは講師がつくってくれていた。値段の安さだけで選んだ布、そんな布だからと選んだふざけたデザインで。友達のスカートはどれもどこかしらに失敗や誤魔化しがあった。私のスカートは何ひとつ間違いのない完璧な仕上がり。なのだけど中年の男性芸人がコントで女子小学生を演じる衣装に見えた。デフォルメされた女の子感かな、どこかタガが外れたような奇妙さがあった。一緒に行った友達のひとりと後日待ち合わせたとき、何を思ってか穿いて行き、嘘だとか何とか言って友達が頭を抱えた。着替えを持っていたけど意地になって着替えなかった。
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