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サフラン色のロールパン [日々の暮らしで思うこと]

Sunday, 13th December 2020

朝、目が覚めると、口の中にナッツの残骸の気配がして、私はリスに違いない、でなければ木の実を口に含んで寝起きする訳がないと思うのだけど、リスほどには被毛のない手足があってフワッと巻いて愛らしい尾がなく、昨夜マカダミアナッツを頬張った後、歯を磨かずに寝たことを考えてみなくてはならない。

眠りの浅い日や時間の短い日が続くと、それらを取り戻そうとするかのように急激に眠くなることがある。犬に、ちょっとだけ休ませてくださいなどと言って横になると、そのまま眠ってしまう。身体がドロドロに溶けて動けない、と思う間に眠っている。歯磨きせずにというのは避けたいけれど、そんなふうに眠ることができるのはなかなかなく、ご褒美をもらった気がする。何も感じず、何も考えず、ただ眠る。私が存在せず時間が過ぎることに救われる。

Neil CodlingはSuedeというバンドのメンバーで、Suedeに全く興味がないもののNeil Codlingには惹かれるものがある。何だろう、平常心が過ぎるというか、ステージにいて全く冷静で、自分は無関係というような上の空、ひとり勝手に休憩して見えて、当たり前だけどステージ上で起こることを見ているし演奏もこなす。どんなときにも熱狂も興奮もしない。したとしても傍目には全く分からない。時に抑えの利かない馬鹿をする私には超人のようにも見え、また、病気で活動を休んでいた時期があり、思うようにならない日々を苦しんだのではと勝手に身近さを覚える。

再結成後のSuedeのLIVEを何度か見ていて、私にはステージのセッティングが興味深く、一番調整に手間をかけるのはマイクコードのしなり具合だったりする。ローディーがマイクのコードをムチのようにビュンビュン床へ叩き付けて、しなりうねりを確かめる。これだと思う動きをするまでテープ留めの位置を変えたり、マイクスタンドを動かしたり、様々やってまた、ムチのようにビュンビュン床へ叩き付けての繰り返し。ヴォーカリストのブレット・アンダーソンがMorrisseyを真似たいからとも、オリジナルの振る舞いとも聞くけれど、何にしてもマイクのコードに細心の注意が払われるのは確か。それに加えて欠かさず為されるのがNeil Codlingのペットボトルのキャップを緩めること。メンバーそれぞれの場所にペットボトルに入った飲み物が置かれるとき、Neil Codlingのものだけ必ずキャップを緩めておく。これは王子様だから?と暢気に見てよいのか何か具合が悪いのか分からない。

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LIVEを見るため遠征したとき、Neil Codlingと同じ飛行機に乗り合わせることがあった。サインをもらえるか聞くといいよとの返事で、隣の席に座り込んで旅券を差し出した。急だったので書いてもらうのに適した紙を他に思いつかなかった。ここへ書いてよいのかと確かめられ、大丈夫と言って書いてもらった。当然、握手もしてもらい、運がよかった。何とも嬉しく忘れ難い巡り合わせだった。今月に入って、NeilのInstagramとTwitterのアカウントが削除されたようで、ただSNSを離れたのか、病気の悪化など大事があってのことか、案じている。案じてどうなるものでもないと捨て置くことは少なからずあるけれど、Neil Codlingのことを私が案じず誰が案じるのだと気負う。

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13時頃、犬と散歩した。犬にはごはんをあげたけれど私は朝から何も食べておらず、はじめは何ともなかったものの、40分ほど歩くうち、一歩ごとに空腹感が増して、こんなにお腹が減ることってあるんですかと道行くひとに聞きたかった。過日、巨大ブロッコリーのあった無人販売所へ行き、再び巨大ブロッコリーを手に入れた。帰り道で買うという知恵があった。昨晩遅くまでトータルテンボスのテッテレーを見続けたので巨大ブロッコリーはどうしたって緑色の藤田に見えて愛くるしかった。頭へ載せたかった。帰宅後、トースト2枚にキリふたつを挟み、トーストチーズサンドウィッチにして食べた。死んでもいないのに生き返った。

15時過ぎ、何か同行するよう言われていたので犬と犬を連れドライヤーを持ちPさん宅参上、染髪のち洗髪洗体洗顔のち乾髪。テレビに千鳥の番組の再放送が流れていて、千鳥も悪くはないけどさとPさんが言って、サンドウィッチマンのほうが面白いんだけど、と続けた。何か勿体つけているなと思ったら、でもね、アンタッチャブルの面白さは特別だよね、突き抜けてるよね、サンドウィッチマンが劣って見えるとか言うので、デスヨネーとしか返しようがない。アンタッチャブル復活は私の積年の夢であった。テレビへ通電せず活躍ぶりを把握できていないけれど。Pさんは大抵サンドウィッチマン推しのひとなので、これは最上級に褒めている感じ。

Pさんは180倍の農薬散布の春菊、私は睡眠導入剤の混ぜ込まれた飲み薬が気になり、互いに同じ話をするかのように噛み合わぬ話をした。その後、私に何が出来る気もせぬけれど、ドライブスルー式コイン洗車に同行。コイン洗車へコインを持って来ていないとのことで400円貸し出し、PayPayで返してもらう。私にも出来ることがあった。百円硬貨を財布に入れておくよう、少ない買い物のなかで集めた甲斐があった。その後、百円ショップ、ホームセンター、割高なスーパーマーケットなどに行って、私はこれと言って用がなく、ちょっと偵察したりクルマで他者との接触を避けたりした。夕飯にハンバーガーを買ってくれると言うので買ってもらう。飲み物に黒烏龍茶#濃いめを選べると言うので、黒烏龍茶と言うと、「濃いめだよ、大丈夫?」と二回聞かれ、二回大丈夫ですと答えた。心配なら選べると教えなければ選ばない。ダブルチーズバーガーにはフライドポテトLサイズが付いていて、13時の空腹が架空のできごとのように満腹になった。
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